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プレコンセプションケア(Preconception Care)
プレ(pre)は「〜の前」、コンセプション(conception)は「受胎」を意味しますので、プレコンセプションケアとは本来は妊娠前の健康管理ということになりますが、男女を問わず将来に子供を作る作らない選択に必要な知識を得ることをいいます。それは望む妊娠を叶え望まぬ妊娠を防ぐことに繋がります。
広義には妊娠に限らずに「若い男女が将来のライフプランを考えて日々の生活や健康と向き合うこと」です。
プレコンセプションケアの目的
- 健康の最適化: 妊娠前に健康状態を改善し、不妊に至る原因や妊娠中の合併症を減少させることを目指します。具体的には、生活習慣の見直しや、必要な医療的介入を行います。
- リスクの評価と管理: 妊娠に影響を与える可能性のある健康リスク(例:痩せや肥満、喫煙、アルコール摂取など)を特定し、適切な対策を講じることが重要です。
- 教育と情報提供: 妊娠に関する正しい知識を提供し、健康的な生活習慣を促進します。これにより、将来の妊娠や出産に向けた準備が整います。
具体的な介入内容
- 健康診断: 妊娠を希望する前に、医療機関での健康診断を受けることが推奨されます。これには、診察のみならずワクチン(風疹・HPV)接種や基礎疾患の対応などが含まれます。いわゆるブライダルチェックもこの一部に含まれます。またピルでの子宮や卵巣温存も選択肢です。
- 栄養管理: 妊娠前からの適切な栄養摂取、特に葉酸の摂取が推奨されます。葉酸は胎児の神経管閉鎖障害などのみならず妊娠合併症を予防するために重要な栄養素です。また、極端な痩せや肥満も問題です。
- メンタル・ソーシャルヘルスのサポート: 妊娠に向けた心理的および社会的な準備も重要です。ストレス管理やメンタルヘルスの評価や行政支援などが含まれます。
プレコンセプションケアの重要性
プレコンセプションケアは、妊娠を希望するすべての男女にとって重要であり、健康な妊娠と出産と子育てを促進するための基盤を築きます。特に、若い世代においては、結婚を考える前からの健康意識の醸成が将来の選択肢を広げることにつながります。
プレコンセプションケアは、妊娠を考えないひとも、しかも男女に関係なくすべての人々にとって、健康的なライフスタイルを確立し、未来の健康を守るための重要なステップなのです。
開院以前より私はプレコンセプションケアの重要性を痛感しており、結婚や妊娠を考える前の若年者からのプレコンセプションケアの視点をもった診療を日々心がけております。(院長)